『バカンス』推薦コメントのご紹介

今回、早稲田演劇にゆかりのある方々に「主宰よりみなさまへ」と事前公開しております脚本初稿をお読みいただき、公演への応援・推薦・批判のコメントをいただきました。

以下にご紹介させていただきます。


※敬称略・いただいた順



私たちが無自覚に継承し、残してしまった仕組みを刷新しようと努力している後輩がいる。私も自分の場所で諦めないので、諦めないでほしい。同時に、舞台芸術であることも諦めないでほしい。つよく、応援しています。


劇作家・演出家 細川洋平

(ほろびて/早稲田大学演劇倶楽部13期)




僕が在籍していた頃の演くらは、壮大な実験場でした。

同期の小手伸也くんや後輩の三浦大輔くん安藤玉恵さんなどなど目指す方向は本当にバラバラだったけど、それぞれがまだ見ぬ地平に辿り着こうと必死でもがいていました。でもそれは所詮地上の話。

演劇という大地そのものが危機にさらされた今、皆さんに突きつけられた現実は想像をはるかに超えて逼迫していて、決死の覚悟での宇宙旅行を迫られている状況なのかも知れません。それでも、畏れることなく、挑戦してください。

演くらに悲壮感は似合わない。楽しんで!!


映画監督 三木孝浩

(早稲田大学演劇倶楽部9期)




演劇倶楽部10期のペヤンヌマキです。瀧口さんの所信表明を読みました。

演劇の現場が抱えてきた様々な問題に真正面から向き合いそれを表明した上で公演を行う、その心意気に胸を打たれました。

今現在の私にも突き付けられることです。応援しています。


劇作家・演出家 ペヤンヌマキ

(演劇ユニット「ブス会*」主宰/早稲田大学演劇倶楽部10期)




連綿と続く時間の中に、演劇をしっかりと残してゆく。過去から未来に。考え、試し、実演し、僕らもそのバトンになりましょう!

頼もしい後輩よ!共に健やかに張り切って参りましょうぞ!


八嶋智人

(カムカムミニキーナ/早稲田大学演劇倶楽部4期)



久しぶりにエンクラの現役生から連絡が来たので嬉しく思っていたら、

なにやら非常に鬼気迫った企画書が添えられていて驚いた。

コロナ禍だから演劇がしづらい、という以前に、お金のかかる演劇公演を行うことは学生にとって非常にハードルが高い。

じゃあ、どうするか。ということについて、論文並みの分量と熱量で綴られていた。

思考停止して深夜のろくでもないアルバイトで公演予算を捻出していた当時の自分を思い返して恥ずかしくなった。

私個人の考えではあるが、初期衝動ほど面白いものはない。

学生演劇は初期衝動の集合体だ。奇跡と言ってもいい。

それがお金の問題によって表現されなくなってしまうのは、とても哀しい。

成功も失敗もちゃんと経験してもらうために、微力ながら応援させていただきます。

苦しそうなのにタイトルが「バカンス」ってのもいいじゃないですか。


奥山雄太

(演劇ユニットろりえ 主宰/早稲田大学演劇倶楽部21期)


演劇とはこの世界に鏡を立てかける営みだ、というハムレットの一節がありますが、公演にあたっての所信表明を拝見し、破綻しつつあるこの社会の鏡たらんとする覚悟のようなものを感じました。真っ向から私たちの生きる「今」と対峙されることを期待しております。


米村亮太朗

(ポツドール/早稲田大学演劇倶楽部13期)



演劇を取り巻く環境は今まさに何十年に一度の激変期。真摯な所信表明は、色んなことを曖昧にしてきた僕らの世代にこそ鋭く突き刺さる。そんな現状を作ってきた世代に応援コメントを書かせるしたたかさに、現状突破の可能性を賭けてみたいと思ったよ、後輩たち。


松村武

(劇団カムカムミニキーナ主宰/早稲田大学演劇倶楽部4期)




いただいたお言葉を胸に、関係者一同全力で取り組んで参ります。ご協力いただいた皆様へ、改めてお礼申し上げます。


2023年 2月『バカンス』関係者一同